健康食品の広告で訴求される、健康に寄与する旨の表示を規制する主な法律は、健康増進法、薬機法、景表法があります。

健康増進法では、以下に示すからの事項について虚偽誇大な表示を禁じています。このうち、は医薬品的効能効果にあたりますから、食品の広告で表示すれば、虚偽誇大か否かを問わず薬機法違反となります。は特定保健用食品や機能性表示食品が訴求できる効果、は栄養機能食品が訴求できる効果です。すべての事項について、合理的な根拠がなければ景表法の不実証広告規制の対象となります。

実際の取り締まりは、景表法に基づいて広告表現の合理的根拠が求められ、根拠が提出されたとしても合理的な根拠とは認められないとして処分されています。(合理的根拠と認められるためには、少なくとも特定保健用食品や機能性表示食品と同等のレベルで科学的検証結果が求められます。通常、科学的裏付けが得られたものは、特定保健用食品や機能性表示食品として売られるでしょうから、いわゆる健康食品の場合、多少の実証データがあっても、合理的根拠と認められる可能性は低いと思われます)

 疾病の治療又は予防を目的とする効果
「糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に」、「末期ガンが治る」、「虫歯にならない」、「生活習慣病予防」、「骨粗しょう症予防」、「アレルギー症状を緩和する」、「花粉症に効果あり」、「インフルエンザの予防に」、「便秘改善」

 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果(注1)
疲労回復」、「強精(強性)強壮」、「体力増強」、「食欲増進」、「老化防止」、「免疫機能の向上」、「疾病に対する自然治癒力を増強します」、「集中力を高める」、「脂肪燃焼を促進!

 特定の保健の用途に適する旨の効果
「本品はおなかの調子を整えます」、「この製品は血圧が高めの方に適する」、「コレステロールの吸収を抑える」、「食後の血中中性脂肪の上昇を抑える」、「本品には○○○(成分名)が含まれます。○○○(成分名)には食事の脂肪や糖分の吸収を抑える機能があることが報告されています。」

 栄養成分の効果
「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」

(注1)平成29年3月の新指定医薬部外品に係る改正で定義された「ビタミン含有保健剤」の効能効果に、”体力、身体抵抗力(免疫)又は集中力の維持・改善””虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防”があります。(下線部に該当する表現に特に注意が必要です)