架空の価格や意図的に短期間設定された高い価格に対する割引率、割引額を示して、実際よりも大きく値引きされているかのような表示は、「有利誤認表示」として、景表法の規制対象となります。
値引きの基準となる価格(比較対照価格)は自社の通常販売価格を対象とすることが多いのですが、その場合は、”最近、相当期間にわたって販売された実績”のある価格でなければなりません。
”最近、相当期間にわたって販売された実績”と認められるには、比較対象価格での販売実績が以下の要件をすべて満たしていることが必要です。
①セール開始時から8週間以上遡って販売していた場合4週間(8週間未満の場合その過半)以上の期間に相当する販売実績
②2週間以上の販売実績
③セール開始の2週間前以降に販売実績
なお、セール期間が限定されていない場合、要件①は、セール開始時だけでなく、セール期間中を通じて満たしていなければ、当初の二重価格表示を続けることは景表法違反の可能性があるとの見解を消費者庁表示対策課長が示しています。・・・「景品表示法(第5版)」商事法務
(”通常小売価格”として比較対照価格を示さず、”値下げ”した価格として売り続けること自体は差し支えないとされています)
※下図に、”最近、相当期間にわたって販売された実績”のイメージを示します。
また、メーカーが設定する価格を比較対照価格とする場合もありますが、その場合、”希望小売価格”と”参考小売価格”という用語を混同しないように注意が必要です。
”希望小売価格”は、メーカーが消費者も含めて広く告知している価格ですが、”参考小売価格”は小売業者等のみに告知している価格です。